免責許可決定が確定すると、会社の代表者等個人の破産者は、破産債権について責任を免れます。しかしながら、一部の破産債権については免責の効力が及ばないとされており、このような債権を非免責債権といいます。
実務上よくみられるのが1.、4.、6.ですが、1.と4.については、破産申立ての準備に入った段階では支払いを免れることができませんので、破産後の経済的再生の計画に、返済も織り込んで対応するしかありません。これに対し、6.については、破産の準備段階で注意をすることで回避できます。以下、詳しく解説します。
非免責債権の例
- 租税等の請求権
- 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
「悪意」は、単なる故意では足りず、他人を害する積極的な意欲である害意をいうものとされています。 - 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権で、悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権に当たらないもの
「悪意」で加えたものについては、2に当たります。 - 親族関係に係る一連の請求権
夫婦間の協力及び扶助の義務、婚姻費用分担義務、子の監護に関する義務、扶養義務等です。 - 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権等
- 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権
- 罰金等の請求権
債権者一覧表に漏れがあった場合
上記6.の破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権の「債権者名簿」は、破産申立時に提出する債権者一覧表であるのが通常です。債権者一覧表は、破産申立ての準備をする際、依頼者から聴取して弁護士が作成しますが、漏れがあった債権者について非免責となってしまうおそれがあります。この「知りながら債権者名簿に記載しなかった」には、「親しい人に破産したことがばれたくない」等の理由で故意に記載しなかった場合だけでなく、過失によって記載しなかった場合も含まれるという裁判例があります。したがって、弁護士に債権者を申告する際には、債権者を知りながら隠すことはもちろん、うっかり伝え漏らしてしまうことがないよう、特に注意していただく必要があります。また,記載漏れがあったことが破産手続開始決定後に判明した場合でも、手続中に補正することができますので、記載漏れに気付いたら直ちに弁護士に申し出ることをお勧めします。
非免責債権とは?はいかがでしたか?
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