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破産申立後に、破産管財人から事業譲渡を受けた事例

概要

G社:サービス業、受任当時営業中
負債総額 約1億円 従業員数 6名
債権者数 約50名 資産 現預金・売掛金
申立費用 弁護士報酬712,800円(うち代表者分160,000円、税抜き)
予納金400,000円

ポイント

  • 破産後に新会社で事業を引き継ぐには、管財人との間で事業譲渡契約を行う。
  • 破産申立前に事業譲渡を完了させておいた方が、事業移転がスムーズに進められることもある。

管財人との間で、事業譲渡条件を調整

G社は、主にイベントの企画・設営を請け負うサービス業を営んでいました。
売上高の減少により資金繰りが追いつかなくなり、新規の借入れもできないことが確定したため、破産申立てをするに至りました。
G社は、当初、新規の借入れができるものと見込んでいたため、破産申立てを半年以上先に予定しており、それまでに既に受注している仕事を完了する方針でした。ところが、上記のとおり新規借入れができなくなり、一気に資金繰りが逼迫したため、仕掛中の仕事をかかえたまま破産申立てをせざるを得なくなりました。G社の経営者は、とある事情から、何としても仕掛中の仕事を完了させたい意向でしたので、新会社を立ち上げ、こちらで仕掛中の仕事を引き継ぐこととなりました。もっとも、資金ショートが間近に迫る中、多くの顧客や取引先との間で新会社との契約に切り替えることはスケジュール上不可能でしたので、破産手続の中で、管財人から事業譲渡を受ける方法をとらざるを得ませんでした。
破産申立後は、管財人との間で、事業譲渡条件について交渉をしました。事業価値についての考え方に相違があり、交渉は困難を極めましたが、最終的に、新会社が仕掛中の仕事を全て引き継ぎ、顧客に迷惑がかからないかたちで全ての仕事を完了することができました。
本件のように、破産申立てまでに時間的余裕がない場合でなければ、事前に事業譲渡の手続を完了させておいたほうが、事業移転がスムーズに進められると思われます。先に譲渡が完了していれば、仮に譲渡代金が少なかった場合にも、管財人としては当該事業譲渡を否認する裁判を起こさなければならず、それまでは新会社で事実上仕掛中の仕事を進めることができるからです。
仕掛中の仕事を、新会社や第三者が引き継いで行いたいという事情があれば、可能な限り早くご相談されることをお勧めします。

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