2015/06/17(水) 16:35:49
会社破産(法人)の申立てをどの裁判所にすべきかについては、法律で定められており、法律上管轄のある裁判所に申立てをしなければならないのが原則です。もっとも、東京地方裁判所では、地方に本店がある会社であって、厳密には法律上管轄の認められなくても、相当な場合には、申立てを受理し、手続を進めるという運用がされていました。
ところが、平成27年5月1日からは、東京地方裁判所で手続を進めるのが相当かどうかにつきより丁寧に審査することになり、破産申立ての段階で、この点についての事情を明らかにすることになりました。具体的には、申立書に「管轄に関する意見」という欄を設け、
- 商業登記の全部事項証明書上の本店が東京都にある。
- 大規模事件管轄又は関連事件管轄がある。
- 営業活動の拠点(実質的な本店)が東京都にある。
- 東京地裁に管轄を認めるべきその他の事情がある。
というチェック項目のいずれかにチェックをすることになります。
これまでは、上記の3番目、4番目の項目に該当するため相当であるとして申立てを行っており、裁判所からも特に指摘されることなく受理されていましたが、今後は、3番目、4番目にチェックをして申立てを行った場合には、これに該当する事情を確認されることがあるとのことです。
今後、東京地方裁判所で手続を進めるのが相当でないと判断された場合、どのような対応をされるのか、また、どのようなケースで相当でないと判断されるのかについては、現段階では明らかではありません。ただ、東京都内に管轄のない会社については、管轄が認められるかについて、より慎重に検討すべきといえるでしょう。
日比谷ステーション法律事務所
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