2015/04/13(月) 10:33:17
破産申立時に、仕掛かり中の仕事がない場合に見落としがちな点の一つとして、アフターサービスがあります。例えば、設備の工事等で、完成・引渡後1年以内に生じたトラブルについては無償で対応します、といったサービスが、顧客との間で交わされていたような場合です。
破産申立時には、仕事は完成しており、引渡しも済んでいるため、特に問題はないのではないか、とも考えられます。しかしながら、破産手続開始後、会社が上記の様なアフターサービスを提供することは原則としてできなくなります。そうすると、破産手続の開始時点で、アフターサービスの期限内にある顧客については、アフターサービスを履行できなくなるという点で、仕掛かり中の仕事がある顧客と同様に、債権者として扱うべきではないか、という問題が生じることになります。
破産手続においては、全ての債権者に対し、手続への参加の機会を提供すべきという建前がありますので、基本的には、他の債権者と同様、申立時に提出する債権者一覧表に載せておくべきと考えられます。もっとも、アフターサービスの期限が長く、期限内にある顧客が大勢いる場合で、トラブルが生じる可能性も極めて低いというようなケースでは、破産手続の円滑な進行との関係で、他の債権者と同様に扱うかどうかは悩ましい問題といえるでしょう。
いずれにせよ、既に仕事が終わっている顧客との関係でも、アフターサービスのように会社が仕事をする可能性がある場合には、ご相談時に申告していただくようお願いしております。
日比谷ステーション法律事務所
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