2015/04/02(木) 16:14:28
営業中の会社では、売掛金を安全に確保することが極めて重要です。ところが、売掛金が入金される金融機関から借り入れがあり、口座引落しにより返済をしている場合等には、入金された売掛金が目減りしてしまうことになります。そこで、このような場合には、売掛先と交渉し、引落しがかからない口座に売掛金の入金先を変更してもらうことで、返済による目減りを回避する必要があります。
ところが、大手の取引先等では、簡単に入金先の変更ができなかったり、変更の手続に時間を要したりするため、上記のような方法がとれないことがあります。このような場合には、入金される金融機関に対して、入金の前に債務整理通知等を送ることで、会社が支払停止をしたことを知らせることで、その後の入金については貸付金との相殺ができないようにするという方法を検討することになります。実際、当事務所で扱った案件でも、この方法をとることで、破産手続開始決定の直前に債権者である金融機関の口座へ入金された売掛金を、管財人に回収してもらったケースがあります。
ただし、金融機関に対して通知を送ると、その時点での預金は相殺されてしまう上、破産申立ての準備に入ったという情報が漏れるおそれも若干ながら生じることになりますので、売掛金の入金のタイミング等を考慮の上、慎重に行う必要があるといえます。
日比谷ステーション法律事務所
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