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仕掛かり中の仕事の処理(1) 小売店の取置き

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2014/12/24(水) 11:53:31

仕掛かり中の仕事がある状態で破産申立てをする場合、仕掛かり中の仕事をどのようにするかは管財人の判断によるところです。管財人の任務のうち、最も重要なものの一つは、債権者へ配当するための破産財団をできるだけ大きくすることですので、仕掛かり中の仕事の処理方針は、破産財団の増殖に資するか、という点が重視されることになります。
今回は、小売店の破産のケースで、取置きをしていた場合、これがどのように扱われたかをご紹介します。

この会社では、取置きをする場合、予め代金を受け取り、商品が届き次第連絡して渡すことにしている顧客と、商品と引換に代金を受けとることにしている顧客とがいました。また、破産申立て時に、既に仕入れ先から取置きを頼まれた商品が入荷しているものもあれば、いないものもありました。このように、各取置きは、代金受領、商品納入の有無の点で状況が異なりましたので、それぞれどのようにするか、最初の管財人との打合せ時に場合分けをして方針を立てました。
具体的には、概ね、(1)代金受領有り、商品納入有りの場合は、顧客に着払い、瑕疵担保責任の免除を了承するのであれば、商品を郵送して引き渡す、(2)代金受領あり、商品納入なしのケースでは、仕入れが不可能なため、顧客を破産債権者として扱う、(3)代金受領なし、商品納入有りの場合は、管財人への支払いが確認でき次第郵送して引き渡す、(4)代金受領なし、商品納入なしの場合は、仕入れ先が管財人への納入に応じるのであれば、顧客からの代金納入が確認でき次第郵送して引き渡すということになりました。このように、法律上許容される限度で、きめ細かく対応することで、(2)以外の場合では、顧客は商品を受け取ることが可能となった結果、顧客に対してかける迷惑をかなり少なくできたものと思われます。

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